FXの相場とドル円・USドルの動き
自由貿易を標榜
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人民元高が加速している。そもそも、貿易赤字縮小のために人民元を上げろ、といっているのは実際には米国だけである。むろん、日本も表面的には対中貿易赤字が拡大している。05年度で286億ドルの赤字である。しかし、米国からは800億ドルの黒字を計上しており、トータルとしては貿易黒字である。赤字の水準も05年度で2000億ドルに外為到達した米国とはまさに桁違いといえる。米国は対日中ともに貿易赤字であるから、景気拡大=ドル安を地で行ってしま外為ったわけである。 また、日本も中国の米国に対する貿易黒字の恩恵を受けている。中国が加工品貿易にシフトしてきた90年代から今日まで、中国にとっては輸出に当たるその生産をするために、日本はさまざまな資本財・中間財を輸出してきた。つまり、中ワラント国という完成品メーカーが儲かると、設備・機械メーカーである日本が儲かる―という構造。端的に言ってしまえば、アメリカの対中輸入の増加と日本の対中輸出の増加がつながることになる。日中米の三角貿易と言っても良い。実際こうした中間財による輸出で儲かるビジネスは過去、韓国・香港・シンガポール等でも不動産投資経験してきたのだが、経済規模が小さかったので目立たなかっただけだ。 アメリカの対中輸入と日本の対中輸出の比率を計算してみると、それはアメリカの対中輸入1ドル当たりの日本の対中輸出を意味している数字になる。中国にとってみれば対米輸出が1ドル増えたとき、同時に対日輸入がどれだけ増えるか、日本にとって見れば中国の対米貿易輸出増加分の一定比率が中間財・資本財の輸出見込みとなる。 伊丹敬之氏の試算によれば対米輸出1ドルあたりほぼ0.49〜0.54ドル前後くりっく365日本からの輸出が増えてきた。この構造は中国がより高付加価値の輸出を始めるまで鉄壁の三角関係ということも出来る。悪い言い方をしてしまえば、中国の対米輸出黒字増大の黒幕は(5割は)日本の対中輸出拡大であったといえる。 それでも、日本が批難から免れているのは、自由貿易の恩恵で対中国赤字を拡大させているからだろう。これで農産品目などを自由化していなければ、70〜80年代の二の舞であった。自由貿易を標榜し、国内市場を開放しておいて良いこともあったのだ。 年間変動幅決まる 政治家圧力で利上げ観測萎む 1月1日に読売新聞が「日銀は月内利上げも」といった内容を報じたことがキッカケとなり、高まっていた月内の利上げ観測がここにきて再び急速に萎んできた。 利上げ先送りの背景にあるものは、日本の政治家からの圧力だ。 そんなこともあり、先週9日には「米著名情報社が日本の1月利上げは見送られるといったレポートを顧客に送信した」―とのウワサもマーケットで聞かれていた。 相場変動を予見させるひとつの方法に、「年間変動率」と言うものがある。 昨年末、12月最後の当コーナーでも取り上げたので興味のある方は、そのときの原稿を参考にしてもらいたい。いずれにしても、ドル/円相場は1年間に平均でおよそ17〜18%ほどの変動を示すことが判っている。 一方で、今年の為替相場はすでに始まっており、仮に1月2日の東京時間午前九時を「今年のオープンレート」とすると、およそ118.90円レベルとなる。 つまり、年間変動率の観点からすると、今年の相場は前記したレベルを中心に上下17%ほどの価格変動が予想されることになるわけだ。 ちなみに、年初のレベルを中心に上下に同程度の価格変動を示すとすれば、今年のドル/円相場は109円から129円程度の価格変動が予想される。 したがって、若干でもドル高にバイアスの掛かった展開となった場合には、130円を超える展開を否定出来ないかも知れない。 欧州通貨の1月リスク クロス円急落の原因は 昨年1年間を通じて、おおむね横ばい、小動きとなったドル円。それを尻目に、上昇相場が続き、軒並み最高値更新となったのがクロス円だった。ところが、そのクロス円が、年明け早々一転して急反落となった。 この主因は、原油価格などコモディティー相場の急落との解説が多かった。原油価格(WTI)は、昨年来の安値を更新、一段安となった。この結果、原油相場で損失が発生した分を埋めるために、ヘッジファンドなどが利の乗った円売りポジションの手仕舞い、つまり円買い戻しを急いだとされる。 確かに、ヘッジファンドなどの売買の目安とされるシカゴIMM統計によると、円の持ち高は1月3日現在で11.8万枚の売り持ちで、何と史上3番目の大幅売り持ちだ。原油相場等での損失を埋めるためにクロス円ポジションが逆流、それによってクロス円が軒並み急反落に転じたというわけだ。 ではこのように、年明けのクロス円波乱は、原油などコモディティー相場に連動した「コモディティー本位制」ということだけで良いのか。私がもう1つ、「影の主役」として注目しているのは「欧州通貨の1月リスク」だ。 ドルの総合力を示す実効相場について、過去10年間の12月と1月の動きを調べて見ると、1月は8回ドル高、一方12月は7回ドル安といった具合に、「12月のドル安」、「1月のドル高」という傾向があることがわかる。この原因は、12月決算期末の欧米企業が、12月にかけて本国へ資金還流させる結果、ユーロ買い、ポンド買いが増えやすく、1月はその反動が入って、ドル高・欧州通貨安になりやすいためなどと考えられている。 ところで、気になるのは、そんな具合に欧州通貨安になりやすい1月に、シカゴIMM統計によると、ユーロ、ポンドともに記録的な買い持ち、つまり「買われ過ぎ」警戒領域にある。 本来下落リスクの高い1月に、欧州通貨がむしろ「買われ過ぎ」になっているといったことの「歪み」の源をたどると、先に見てきた、クロス円上昇の影響もあっただろう。その意味では、クロス円波乱相場の行方は、この「欧州通貨の1月リスク」も、もう1つの主役になっている可能性があるだろう。 =蒼い稲妻= 金利相場は続くか? 関心事は日米欧の金利 「円キャリートレード」―という言葉は、いわゆる「プロ」のあいだでは前々から知られていた用語だったが、日経新聞などで再三にわたって報じられたこともあり、一般的な認知が高まった。 そんな昨年の価格変動を筆者が調べてみたところ、見事なほど円独歩安の進行した1年だったことが再確認された。金利相場が今年も続くかどうか、当面の動向は要注意。 筆者が米ドルやユーロなど主要7通貨の対円に対する変動率を調べたところ、もっとも上昇した通貨はポンドであり、年間を通した上昇率は約15.0%だった。次いでユーロが12.5%、スイス9.0%、豪ドル8.7%―などとなっている。 そんな変動率を見て筆者が興味深く感じたことは、1年を通して「円高方向に振れた通貨ペアはひとつもなかった」ということか。年初来ほぼ一貫した右肩上がりの展開となったポンド/円は別格としても、主要7通貨ペアすべてでそれが観測されたことはなかなか興味深い。 実際、5月に掛けて年初から見て15%近い円高が進行したNZドル/円にしても、その後切り返すと最終的には4%のNZドル高・円安で大引けている。 やはり円独歩安、「円キャリートレード」に振り回された1年だったと言えそうだ。 さて、そんな去年の相場を参考に今年の相場を以下で考えてみたい。 個人的には懐疑的だが、いわゆる「金利相場」が今年も仮に続くとすれば、「早ければ足元1月にも再利上げが実施される」―と期待される日本円が目先は買い戻されても不思議はないだろう。 それに対して、意見の1本化まではされていないが、米国の金利が今年の年内中に引き下げ傾向にあることは確か。飽くまでも金利差要因だけを考えてのものだが、両者の関係からするとドル/円に関してはドル安・円高の展開を否定出来ないようだ。 一方、ユーロについては日本同様に追加利上げ観測が根強い。ただし、目先はともかく「今後何度利上げが出来るか」といったことを考えると、あと1〜2度で取り敢えず打ち止めになりそうな日本に対し、ユーロはそれ以上の引き上げ余地を残している。とすればユーロ/円の方向性は引き続き右方向だろう。(鹿の角 為替は年頭の動き大事 意外なドル高を考える 筆者が為替ディーラーであった頃、年初の為替相場の動きといえば、年末まで残ったポジションの損切りを誘発させる動きと決まっていた。通常それはトレンドを一層加速させるもので、円高であればドル最安値、円安であればドル最高値へのトライと決まっていた。もっとも、ポジションの傾きが良く分からないときには、逆に大きく振ってから反対方向に流すことも多かった。ソロス氏などはある意味究極の下手筋であったが、とにかくロスカットが上手かった。ガイジンはあまり考えないが、見切りと流れに乗るのがとにかく早い。 今年もまた同じパターンだった。一旦は円高に振ってみた。しかし、そこに誰もいないとみるや、ドル高に振った。そうしたら、ロスカットしなければならない人が大量に見つかったのである。値頃感で売った本邦筋である。 さて、12月のFOMC議事要旨で米経済成長のダウンサイドリスクに対する言及があったことを背景に、5月以降の利下げ期待は若干高まったし、昨日発表された12月全米雇用報告は前月比4万人減となり、ドルのサポート材料とは言い難い。もちろん、全米雇用報告と非農業部門雇用者数との相関は低いから、同じだけ雇用が減るとは言い難いが全米雇用報告と非農業部門雇用者数の前月からの変化の方向は同じになることが多いため、非農業部門雇用者数の前月からの増加数は11月の13万人を下回る可能性が高いと考えられる。金利が上がらず、雇用が低調と来ては通常ドル安となる。 ユーロに関しては、29日に発表された11月M3が予想を大幅に上回った上、先週発表された独12月失業者数は91年以来の減少幅となっており、年末年始のユーロ圏の指標の強さが目立つ。これはECBが利上げを継続する可能性とユーロ高。17〜18日の日銀金融政策決定会合での利上げは相当織り込まれつつあるものの、実際の利上げでは円の値上がりが期待される。 こうなると、材料はドル安・ユーロ高・円高を支持しているはずだが、実際の値動きは逆。単なる玉整理のように思っている市場参加者が多いと思うが、筆者はその先を見ている。米国投資家が経済軟調みれば、資金の引き上げと利食いを行う。その時はドル高になるのが自明か。 (石上) 円とドル「同時安」決着の時 ドル実行相場は底割れ 2006年は、円とドル「同時安」の1年となった。この結果、米ドル以外の通貨に対する円相場、「クロス円」と呼ばれるユー